クラスの最後に必ず行うシャワ・アーサナ(Shavasana)。目的やポイントが分かるような分からないような、何となく目を閉じてジッとしている、時々お昼寝タイムになったり、、頭の中は雑念でいっぱい、、そんな方も少なからずいるのでは。
シャワ・アーサナはリラクセーションのための重要なアーサナ(ポーズ)です。
身体は左右対称に、一番くつろぐ場所に置き、一度位置を決めたら動かさないようにリラックスを心掛けます。呼吸はやや深い腹式呼吸から始めて、落ち着いたら鼻先の自然呼吸に集中します。
内部感覚は抽象的であり、それぞれ個人差がかなりありますが、私の場合はリラクセーションが進むと身体と外側の境界線が緩み、全体が地面に溶け込んでいくような感覚や、全身が微動だにしない感じになります。ポイントはその状態が自然と内側から起きてくる、ということです。
身体は熟睡しているのと同じ位リラックスしながら、意識は何もとらわれない高い集中状態を保っている感じでしょうか。日によっても深まり方は全然違いますね。
整体師の片山洋次郎さんの著書は私の愛読書で、クラスでもとても参考にさせて頂いています。著書「整体 楽になる技術」から、私が思うシャワ・アーサナの状態に近い記述がありましたのでご紹介します。
「気持ちのいい身体
誰にも気持ちのいい瞬間というものがある。とくにリラックスしきっているような場合、身体にも、世界に対しても何の違和感も無い状態で、何かに暖かく包まれているように感じたり、のびのびと身体が周りの世界に向かって広がっているような感じがする。もっとも、本当に気持ちの良い瞬間には何も意識されない。身体は完全に世界に融解して、意識は消滅している。
身体が高度な集中状態に達したときにも同じようなことが起こる。ある歌手は、コンサートで歌っている最中に会場の空気と完全に一体化したような状態になる、その気持ち良さが歌手を続けている原点だと言っていた。ダンサーにも踊りに完全に集中すると空気になる瞬間があるという人がいる。武道でも最も技がきれいに掛かるとき、全く無意識に体が動いて、何の抵抗感もない気持ち良さがあるという。
(中略)
よく、あまりに美しい景色に出会ったとき、「時間が止まったような感じがした」、あるいは「世界が止まったような感じがした」ということがある。「世界が静まり返る」ということもある。これは時間や世界や音が止まるのではなく、見ることに集中しきって、自らの意識が止まっているのである。「我を忘れて」、「時を忘れて」何かに集中すると言うこともある。いずれにしても身体の高度な集中は気持よく、しかも無意識的である。」
心身の疲労回復に効果が高いシャワ・アーサナ。ある先生が、一度死んで再び生まれる、と表現されたのはその通りだと思いました。
みなさんもぜひ自分の感性で、このくつろぎのアーサナを深めてみてくださいね。