アロマの学校に通っていた頃、精油を嗅いだ時のイメージ(思い浮かぶ人物像、どんな状況や人物に使いたいか、身体で感じたことなど)を言葉にする授業があって、毎回とても楽しみでした。このイメージワークは、精油を活用するのに、今でも本当に役立っています。
人の個性において、最初の印象は薄くても、付き合う程に離れられない居心地の良さをくれる人がいるように、私にとってのそんな精油はマージョラムです。
シソ科のハーブで、花が咲いた全草を蒸留して精油を抽出します。暖かく、甘く、雨上がり後のハーブ畑に迷い込んだような立ち昇る芳しい香りです。
古代より料理や医療に幅広く用いられた歴史があり、他界した人々の魂を平安にすると信じられ、墓場に植えらたそうです。
体への影響は、強壮とリラックスの両方に働きかけてバランスをとってくれます。気を動かす作用により、循環を促し、鎮痙・鎮痛作用があります。
催淫作用のある精油はいくつかありますが、唯一マージョラムは、催淫作用を鎮めるタイプの精油だと言われています。
私のお気に入りは、眠る前の芳香浴です。
疲労、不安、緊張を感じた時に心を温めてくれます。慰めが得意な精油は他にもありますが、重くなった心を鍋に入れて温め、蒸気と共に空高く舞い上がり消えていく、そんな優しさと解放感をくれる精油です。
「身体には、健康になる力が元々備わっている」私はこの考え方が好きです。「病気」は次の段階に進むために、一時的に大きくバランスを崩し治癒力を高める、ひとつの経過に過ぎない。心もそうですね。ネガティヴな気持ちが前向きな原動力に繋がることはよくあります。精油と共にある生活で、悲しみや落ち込みを、落ち着いて受け入れることができるようになったと思います。